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ESCAPISMブログ

主にBLゲームのイラスト、プレイ日記です。 腐女子向けです、苦手な方の閲覧はお避け下さい。

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2025年 07月 05日|comment(-)

霊応ゲーム 感想

一部で有名なヤンデレと聞いて。

霊応ゲーム (Hayakawa Novels)
パトリック レドモンド
早川書房
売り上げランキング: 418,769

― あらすじ ―
全寮制パブリック・スクールに通う主人公ジョナサン。
ラテン語の授業で偶然リチャードという少年に助けられた事から物語は始まる。

容姿端麗、頭脳明晰、お金持ちで教師相手でも屈しないリチャード。
普段誰とも話さず一匹狼だった彼は切っ掛けからジョナサンと友人関係になる。

リチャードを不良仲間に引き込もうと必死なジェームズは
リチャードとジョナサンが仲がいいのを見て憤る。
それからジェームズはジョナサンに過激な嫌がらせを始め…。

感想
なにこれやばい…。海外文学すごい。海外文学すごい。
絶版と聞いて図書館で借りて読みましたが
返したくなくなるくらい面白かったです。

読み進めるにつれて恐怖と萌えで心臓がバクバクだった。
怖すぎ」「ヤンデレ」「執着」と聞いてはいましたが
まさかここまで本格的だとは思いませんでした。
たぶん自分の中では今まで読んだBLも含む小説の中で1、2を争うくらいの
ヤンデレ萌えをしたかもしれません。恐怖と萌えの組み合わせは最強!
もちろんこの本は腐女子に向けて作られたBL小説じゃないのに、です。
というかヤンデレって単語ができるもうずっと前に書かれた作品なんですよね。

登場人物たちの葛藤、少しずつ追い詰められていく描写は丁寧です。
だからこそ全ての登場人物達に共感してしまい、さらに恐ろしく感じてしまう。

読み終わるのが勿体なくて、盛り上がる後半はちょっとずつ焦らしながら読みました。
この本を読み終わるまでイマイチ寝れない日が続いたり。
ヤンデレに萌えすぎて読者が寝られない小説だった。

ちなみにタイトルの霊応ゲームは降霊術で、
日本で言うコックリさんみたいなもののようです。
専用の板にグラスを置いて指を当てて遊ぶんだとか。

ただ物語は幽霊や超能力のようなパワーが出てくる事はほとんどなく
基本は人間関係に重点を置いた内容です。
身近にある感情が切欠で引き起こすホラー作品な感じですね。
生きてる人間の狂気が一番怖いという。

ただ一部でグロめの描写があったり、鬱EDが苦手な人には向いていないです。
しかし暗い展開、特に(男の)ヤンデレが好きな人は読んで損はしませんよ。

続きは霊応ゲームネタバレ感想です。
右下の[つづきはこちら]からどうぞ。
ココから続き
前半はジェームズ達のジョナサンへのイジメ描写に心が痛みました。
しかしこんなのはまだ序の口、後半のジェームズへの復讐劇はさらに怖いものでした。
ぶっちゃけリチャードのする事に比べればジェームズ達のイジメなんて可愛いもの。

ちなみにリチャードは前半はジョナサンを救うヒーローのようなポジションです。
落ち込んでいるジョナサンに声をかけたり、ジェームズを挑発したり
なかなかカッコイイ所を見せてくれます。
ジョナサンが女なら絶対惚れてた。

今まで誰とも話さず無関心、むしろ馬鹿にすらしていたのに
一度懐に入れたジョナサンには優しく接するギャップに萌えました。
あげく一緒のベッドで抱き合って寝るくらい仲良くなります。
しかも寝方が腕枕って友人同士でする体制じゃない…。
それともスキンシップの多い外国じゃこれが普通なのでしょうか。
読んでいると感覚がマヒしてしまいます。

リチャードの狂気は中間休暇が終わったあたりから徐々に出てきます。
ジョナサンは華奢な体格でよく泣く。
そのせいかジェームズにオカマ野郎だのホモだの言われます。
そんな泣き虫なジョナサンにリチャードは庇護欲を掻き立てられたのでしょう。

ジョナサンの親友、ニコラスに敵意を向けたり
みんなが目を瞑っている時にジョナサンの肩に腕を回し、頬を撫でたり。
ジョナサンもそんなリチャードに寄り掛かったり満更でもない様子。
ニコラス曰く「彼を守り、独り占めするかのよう

彼はジョナサンと一緒にいるために邪魔をする教師や同級生を死に追いやったりと
リチャードの狂気は止まるどころかアクセル全開で加速していきます。
最初は虐めから友人を守るカッコイイヒーローだったのに
ビックリするほど独占欲と執着を見せるヤンデレに成長。
まさにギャップがすごい。

人前で肩を抱き寄せたり、逃げようとするジョナサンを脅したり
「ぼくより父親を愛してるのか?」と静かに切れる所とか
最後の方はジョナサンを引き寄せて「彼は僕のものだ!」とか言い切っちゃう。
ついにはリチャードを完全に拒絶したジョナサンに自ら手をかける…。

ジョナサンとニコラスが恐怖で失禁するほどインパクトの強い彼でしたが
教師と生徒の禁断の同性愛や、双子の仲の良さと別れのシーン、
教師達の暗い過去、校長の秘密など、リチャード以外にも見所は沢山あります。
心理描写が巧みなため人物一人一人に感情移入してしまうくらいの魅力がありました。
最後に分かる事実もやはり後味が悪い(いい意味で)
ページ数、文字数が多いのでガッツリ読めて楽しめました!
自分的にこのくらいの量が凄く良いです。

もしあの日、ニコラスの体調が良かったら、
教科書を間違えなければ、図書室で話しかけなければ、
リチャードの狂気は眠ったままだったでしょうし
ジョナサンも教師にいびられはするけど、普通の学園生活を送れたはずと
考えずにはいられませんでした。

ジョナサンが最後に唱えた言葉と笑顔の意味は?
リチャードが見たものって?
最後まで悶々と考えちゃう内容でした。

ちなみに寝る前に読み終えたのですが、寝る時ちょっと怖かったです。
読み終わってもしばらくは寝れなさそう。


ボリュームがある分、リチャードの奥底に眠る狂気が徐々に目覚めていく部分。
気付いた時にはもう後戻りができず怯えるジョナサンの心理、
メインの二人だけではなく、ジョナサンを救おうとする友人や教師
迫りくる謎の狂気に怯えるジェームズ、
夫婦の暗い過去と秘密などガッツリ書かれていたので大満足。
BL小説もこんなページと文字数ならいいのになあ。
大人の事情で難しそうですが。

しかしこの本、アマゾンの中古でも安くて7千円て…。
新しく欲しいけど中古本屋で地道に探すしかないかあ。
早川書房さん頼むから復刊してください。


さて、グラスを用意してこよう。
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コメント

【読みたい本に限って絶版。】
この作品は有名ですね。西洋のコックリさんは
「ウィジャ板」でしょうか。欧米のホラーで「ウィジャ板」が
効果的なアイテムとして使われている作品多いです。
早川モダンホラーセレクションの「アミュレット」とか。
萩尾望都先生の「ポーの一族 小鳥の巣」を思い出しました。
ダークな展開、鬱な結末にも拘わらず、ホラーの良作はつい
読み耽ってしまいます。
56ae234819 2013年07月22日14:35 by nobara [edit]
nobaraさん、こんにちは。

この本を読むまで西洋にも似たような遊び?があるのを知りませんでした。
この作品ではウィジャ板はあまり出てきませんでしたが
日常を少しずつ蝕んでいくような恐怖は十分伝わってきました。
ホラー的な恐さは苦手なのに、つい気になって読んでしまいますよね。

コメント、ありがとうございました。
2013年07月29日|キキョウ(管理人)

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