やっと涼しくなってきたと思ったらまた暑くなってきましたね。
佐田 三季
心交社
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―あらすじ―実家から逃げるように上京、グラフィックデザイナーとして働く斎木(受け)に
何年も会っていなかった幼馴染の神成(攻め)と仕事先で再開する。
彼は斎木が望んでやまなかった絵の才能を持ち、画家として成功していた。
しかし神成に弱みを握られ、体の関係を強要される。
さらに双子の姉・朋の死への怒りをぶつけられ・・・。
幼馴染の天才画家×コンプレックスを抱えるゲイのイケメンデザイナー感想暗く重く、そして泣けました。
この本は物凄く分厚いです、値段を見た時新書かと思ったくらい。
しかし途中でダラける事なく、あっという間に読めてしまいました。
むしろこれくらいの厚さで書いて貰える方が嬉しいです。
じっくりと長編を読みたい人にお勧め。
神成と再開し、朋の事、仕事の事、神成への想いに
遠回りしながらも少しずつ向き合う斎木に注目です!
ちなみにこの絵師さんにはよく遭遇するような気がします。
この主人公もあだ名は「あーちゃん」でしたね。
最近BL小説ではあーちゃんをよく見かけます。
そうそう「あの日、校舎の階段で」の文庫本も昨日購入したので
いつかまた感想投下したいです。
続きはの
彼は死者の声を聞くネタバレ感想と4コマです。
右下の[つづきはこちら]からどうぞ。

ココから続き
家が隣同士の神成は、幼い頃から斎木に片思いをしていました。
しかし画家を父に持つ斎木にとっては、絵の才能を持つ事が妬ましく
神成の気持ちを知った後も彼には冷たい態度を取り続けます。
しかしある日、斎木の不注意で姉の朋が事故に会い死なせてしまう。
罪の重さから逃れるように実家から離れ、さらに学歴を偽り就職。
十年ぶりに2人は再会するも、神成は今までの恨みか斎木に怒りをぶつけ
強引に同居に持ち込み体の関係を強要します。
この本は亡くなった斎木の双子の姉・朋を通して話が進んでいきます。
障害を持つ朋もまた絵の才能を持ち、神成とも魂で繋がっていた。
斎木にとっては姉の朋は妬ましく、恥かしい存在。
斎木が朋へ抱く感情もかなりリアルで、作者のあとがきを読んで納得しました。
おせじにも性格が良いとは言えない斎木でしたが
電車での親子へかけた言葉で少し成長したんだなと思えたシーンでした。
攻めの受けへの復讐ものってあんまり好きじゃないんですが
行動や言葉の端々に斎木に対する愛情を隠しきれていない所も萌えますね。
特に後半は吹っ切れた斎木に縋ったり、斎木が居ないと自殺しようとしたり。
最初こそドSっぽく迫ってくる神成ですが内心はMっぽいです。
斎木も神成を鬱陶しがってはいますが、絵に嫉妬しながらも
その絵に惹かれたりとツンデレ気味です。
ツンの部分が大きすぎる気もしますが。
あと、斎木が何故死者の姿が見えるのかは最後まで謎でした。
他の人より霊感が強いだけなのでしょうか。
タイトルにもある死者の声はずっと朋が伝えたかった言葉だったんでしょうかね。
ちなみにこの本では
あの日、校舎の階段での遠藤が少しだけ登場します。
斎木の昔のセフレだったみたいですね。一応彼も幸せそうで何よりでした。
文庫の方は新書では収録されなかった後日談もあるようで楽しみです。
以下4コマです。



彼は死者の声も聞く
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